淑女の皆様ごきげんよう。紗羅でございます。

今回は、ずっと思っていたことをまとめてみようと思います。

ここ最近、ライトノベルなどでの新人作家さんデビューラッシュでございます。
どんどん新しい人も出てきます。特にティーンズラブ小説は電子書籍も熱いので
素晴らしいことだと思います。
執筆でも何でも、地道に創作活動を続けた先にデビューして、自分の書いた本も出て、というのは
それはもう嬉しいし、幸せですし、本当に素晴らしいことです。
もっともっと作家が増えて、萌えで埋め尽くされたいです。

でも。

デビューされた方は、その先にあるもの。を、一度立ち止まって見つめてくださいませ。

でないと、心が疲れてしまうかもしれませんです……。


小説だけではなく、漫画も何でもそうですが、クリエイティブというか創作活動的なことを仕事にするには
それなりのパワーと覚悟が必要でございます。
クリエイティブというのは、作家の中にある経験とかネタとか思想とかを使って
誰もみたことのない新しい世界を構築していくことでございます。
そりゃあ大変です。

一つとして同じ作品はありませんし
主人公がどういう世界に住んでて、どういう生い立ちで、そこにどういう事件がおこるのか、
など、作家自身が創作=クリエイトしていく世界でございます。

でも、これがお仕事になると話は別です。

もし趣味だったら、自分が考えていた世界で自由にキャラクターを動かし
楽しく創作ができるかもしれません。たしかに、デビュー作はそうかもしれません。
でも、一度この創作が「お仕事」になってしまうと、この自由はなくなります。

なぜなら、作家が作り出すものは「作品」というより「商品」としての価値が必要になります。
「商品」を購入する消費者、つまり読者により「ウケ」るものにする必要がございます。
編集担当がつき、「売れる商品」にするため、いろいろと手が入ります。

これは編集経験からの持論でございますが、
編集という作業は「そぎ落とすこと」だと思っておりまして
良い編集というのは、「売れる商品にするため」に余分な箇所を削り、
より完成度の高いものにすることができると思っております。

しかしこれって、作家からすると「よけいなお世話」であることが多く。
(編集もいろいろなので、場合によってはコミュニケーションがうまくいかず)
担当によっては作家にとっては不満ばかりが残るお仕事になってしまうかもしれません。
自分の中にある創作意欲、創作魂、萌えパワーを形にしていくのは
とても大変なのに、それを途中で削がれてしまうわけです。

おまけに、数をこなしてくると、「こういう作品を書いて欲しい」という要望がでてきます。
でも、そういうテーマが自分の書きたいストーリーだとは限らないので
「本当は書きたくないんだけどなあ。もっと別なものが書きたいんだけどなあ」
と心の中に不安と不満を抱えたまま執筆を行うことになる。
萌えを注入できない作品を書くことでよけいストレスになる。と。


まあ、話はそれましたが、つまり「趣味の創作」から「仕事」になった段階で
「作品」から「商品」へと変わってしまうのでございます。
正確には作品に商品価値が付加される、という言い方のほうが良いかもしれませんが。

書いたものを「作品」ではなく「商品」扱いされるのはイヤだという方も
多いとおもいます。執筆はクリエイティブなので。
でも、売れるかどうかの視点が入るとそれは「商品」になってしまうので
あえて分けて「商品」と言い切っております。不快なら申し訳ないです。

もし作家としてお仕事をすることを選択したには、どんどん書き続けるしかなく。
場合によっては1ヶ月に1本、10万字の作品を定期的に出していくとか。
まあそれは多すぎとしても、2~3ヶ月に1本づつとしても、年間6本とか膨大な量になります。
(もちろん5万字以下の短編のレーベルも多々ございますが)

となると、まあ、こんなペースでずっと書き続けられるかというと否で、
かならずどこかで息切れしてしまいます。

だって作家は人間ですから。執筆マシンじゃないんで。


自分が書いているものは「作品」か「商品」か。
この切り分けができないまま、作家として走り続けると、心が辛くなる方が多いです。

デビューしたからといって、デビュー作やそれに準ずるパワーや萌えを込めた作品と同じクオリティで
同じパワーの作品を延々と書き続けられるかというと、
多分かなり難しいと思います。

おまけに、これも重要なのですが「〆切」というものがくっついてきます。
〆切とは絶対です。期日までに編集に作品を送らないと大変なことになってしまうのです。
〆切に追われながら、萌えを注入できない作品を書くほど辛いことはないです。

そのうち、他の作家の活躍をみたり、自分の作品の売り上げをみたりしていると
「隣の芝生は青いなあ」と思い始め、悩んでみたり、書くことが辛くなったり。
編集からの修正依頼や読者レビューなどのコメントで、いろいろ辛くなったり。
元々は書くことが好きで、楽しいと思ってはじめた執筆ができなくなってしまう。


これは、沢山書くなら質を落とせと言っているわけではなく、
「書くことを仕事とするなら、仕事として割り切って書くことができるか」
ということになると思います。
特にラノベやティーンズラブは、ある意味読者が望む「テンプレ」があって
それに沿った形のプロットやストーリー、キャラ設定が望まれます。
もしそういった中で活動される場合は特に、割り切りが必要でございます。


バリバリと人気作を出しているベテランの作家さんたちは、
そのあたりの切替ができている方が多いので、
まずはプロットの段階でかなり細かい設定まで詰めて、字数も決めて書く。
一作あげたら、しばらくの間お休みをとる。旅行に行く。など。
息抜きまでを「お仕事」として執筆をされておられます。


なので、もし。もしですよ。
デビューされて、じゃんじゃん執筆していこうとしているところで
上記のような悩みがでてきたりとか、書くのが辛いなあ、という気持ちになってきた方は
是非一度、執筆からがっつり離れてみるのはいかがでしょう。

ツイッターを閉じて、ブラウザも閉じて、スマホの通知も切って。もちろんメールも見ない。
全く別のことをしてみてみると、気持ちが切り替わるかもです。


作家の方々の心の幸せが、読者の幸せでもあるのでございます。
どうか、楽しく執筆活動を続けて下さいませ。。


作家先生たちの新作を今か今かと待ち続けている一人のロマンスファンとしましては
素晴らしい作品を読ませて頂いていたのに、突然筆を折られるとか読めなくなるとか
ほんとマジで勘弁してください好きなんです好きなんですよぉぉおお!
どうか、素晴らしい作品をまた世に送り出して下さい。いつまででも待ってますから!



-ついき。-----------------------

私はそうじゃない。こんな記事はけしからん!このド素人め!
と怒る作家の方もいらっしゃると思うので、賛否両論かもしれませんが。


なぜこんなことを書いたかと申しますと、
作家先生方とお会いすることもあるのでお声を聞く機会がある、ということ以前に
ずっと制作業界で働いておりますので、デザイナーとかクリエイターの方々との交流が多くてですね。
皆様クリエイティブをお仕事にすること、自分の作品や創作を続けることというギャップに
悩まれてきた経験がおありでして。

「自らのクリエイティブ性を発揮し、クライアントのニーズを商品化すること」

これがクリエイターの方々に望まれる資質でして、これができなければ
どんなに素晴らしい作品を作ったとしても、お仕事に(お金に)ならないわけです。

でも、文字を使って作品を作る作家の方々で、デビューしたての方とかには
このあたりの切り分けができなかったりして、辛い思いをされる声がありまして。

お仕事にするからには、お仕事として切り分けて書く覚悟がおありか。
でないといまに心が潰れてしまうよ。ということが言いたかったのでございます。

意図が正しく伝われば幸いでございます。